法事/
腰抜け若鶏
才能があるだとか、自分にはできるはずだとか、
そんなものは限られた空間の中だけの幻想に過ぎない。
それを思い知らされて生命力が吸い取られるようだった。
親戚に顔を見せれない立場だったら、きっと俺の身分をうらやむだろう。
手に入れたものは欲しくない。まったく強欲だな、俺は。
人生はどんどん豊かになっていくが、心の胃袋の満腹感はあの頃と少しも変わらない。
むしろあの頃のほうが。
電車に揺られながら久しぶりに感傷的な気分に浸ってみた。
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