シュガーブラウン色の髪の少女/純太
その少女の玉手箱は
最上階の右から三番目
上りきるとすでに
玄関のドアは少し開けられて
少女は風に挨拶をしながら
俺を見ている
「きょうはなにしてあそぶ?」
部屋に入るとすぐに
俺の心を代弁してくれたので
カレンダーで遊ぶことにした
これがいちだよー
これがぜろだよー
少女が俺に教え始めている
そして今日は
少女のさざ波が
「あっ この すうじ
かぜがふいて たおれそうだよ」
そう言うと
ダイニングに行ってしまった
冷蔵庫を開けて
コップに注いだミルクを飲む少女は
軽やかな瞬きを繰り返し
ブラウンシュガー色の髪から
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