絆創膏から滲む私/
美味
針で突いた指先から風が滲む
そこから綻びが生まれ
体が糸になって解(ほつ)れていく
傷口には絆創膏を貼って
巧く隠しているつもりだけれど
私の体の中は思っていたよりも
ずっと黒くて
とても甘い薫りがした
白い蝶が花瓶の花に止まっている
戻る
編
削
Point
(1)