ただ寂しいだけの楽園に閉じ篭もっている/駝鳥
 
かってのストイックなルールは単に惰性に過ぎなかったのだと想っ
てみるかっての清らかな決断はただの逃避に過ぎなかったのだと呟
いてみる美しいものたちをくさして泥水に叩き込みそうしてふふふ
と笑ってみる諦めきれないから頑張る自分を誉めてみる飽きたから
前向きな自分を讃えてみる選ぶのがめんどうなんだよただそれだけ
だ己を卑下する傲慢さを慎み深いという依存をいったい次はどうす
る気だよ己の中の予言者は私を護ると言いながら退屈な人生を積み
上げる戦士は一時の高揚を欲しがっている言葉は加速度的に消費さ
れていき私の感性は鉛になっていく穴に頭を突っ込んでまだ何かあ
るのかいと手を伸ばす死への期待を捨てきれぬ奴が隅っこで酔っぱ
らい念仏を詠っている目を閉じ耳を塞いで退屈だと呻いているそう
だよ君の前ではいつだって私が加害者さ♪特別になりたがる平凡さ
で増殖する私達をくそおくそおと笑いながらモグラ叩きの一人遊び


(2005.6.2)
戻る   Point(2)