ドライウェル/河野宏子
 
<えいえんに>

わたしずっと退屈していて。

発泡スチロールのカップのなかで干涸びた麺が
戻されるのを待ってる。シールされたフタ。
肉らしき茶色の破片、卵のいろのスポンジ状、
カニ?ねぎ?風味豊かな牛や鶏やポークエキスの
粉末にまみれて、戻されるのを待ってる、

・・・何でできてるの?

目的はとてもはっきりしてる。
戻されて、腹におさまるため。
そのためにわたしとても退屈していて。

<えいえんに><かんせいされない>

遺伝子の、のりもの、わたし
ものすごく、退屈していて、おなかが減るの

眠気の向こう側で日常が過ぎてる。
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