最後の1ページ/KADY
今日は特別な日
特別な夜が待っている
心の鼓動が隣を歩く人にまで聞こえそう
毎朝すれ違う老紳士
犬を連れて散歩
白い髭が落ち着きを演出している
後ろからバタバタと走る音
制服の少年は毎朝走って通り過ぎる
きっと毎日夜更かしをして
毎日朝寝坊するんだろう
そんなに走らなくても大丈夫だよ
電車はまだ来ないから
前を歩くサラリーマンは
黒いかばんを片手に持ち
もう片方の手には携帯電話
きっと不倫相手の恋人にメールしているんだろう
追い抜いて振り向くと
やっぱり今日も微笑んでいる
自転車置き場は混雑
隙間もないぐらい並べられ
主人の帰りを待っている
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