批評とは何か(ツギハギ)/ポロリ
【導入】
三島由紀夫は文章読本の中で批評について語る。
まず、オスカー・ワイルドの「芸術家としての批評家」を読めという。次に、評論の文章の困難は、日本語における論理性の希薄さと批評の対象の脆弱さにあるという。そして、ポール・ヴァレリーを、冷静な知性と優雅な社交人との文体における統合を果たした、近代の批評家で最も見事な評論の文章を書いた人として褒め称える。その理由はフランス語の論理性の高さとフランス文化の終焉という批評の対象であるという。また、小林秀雄・中村光夫を挙げて、その論理的展開を誉める。特に、中村については、批評家には文学的感受性が必要だが、それが論理以上には主張していないことを特に
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