おるごおる/岡村明子
ときどき
おるごおるを ひきだしからだすと
ものがなしい おとがする
くらいなかから
ながれだすおと
の
ゆくえはみえず
かべにあたって
しみとなる
てんじょうの かお
を
ながめていると
ものがなしいおとのながれるのが
おるごおるなのか
かんおけなのか
わからなくなる
ときどき
おとが
くうきを
ゆらす
しんきろうのように
ながめている
ながれている おと
つながれている
わたしと
くうきと
ぢめんと
どこか
だれも
しらないところで
よる おるごおるの おとがする
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