その豚の悲劇/ミネ
 
古腐れた木のあいだから
ピンク色の肌がこぼれている
わせわせとしながら土が舞い
よってたかってみんなに詰られるも
おちゃらけるブー助
こころには
キラリんと杭

ばかっぷりなブー助
前歯がぬけたブー助
これからミンチ機にかかるのか
と問われても走りまわる
惨敗者のようにくるりんとまいた
尻尾をふって
こころにコールタールの
流れだ

地面にふせながら
めいっぱいに草を嗅ぐ
ぶん殴られた脇腹が
ズキンといたむブー助
ちょっと感傷にひたった自分が
おかしくってしょうがなくって
ゲラゲラと笑い転げてたら
缶が飛んできた

またたんこぶができたブー助

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