26Y.6・14/
木立 悟
月だけしかない月は醜い
バラの匂いは補いきれずに次々腐る
鉛につながれた手のひらの鳥と膝の丘
泳ぐものだけが泳ぎつづけて
他は底に水をひもとく
分かつは夕方
破瓜の塩
川をまたいだ石綿の門
迫るふりして迫らぬ火があり
目の信者だけが目をふせる
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