金魚と水草/長谷伸太
鳥は、金魚を食べられなかったので、舌打ちをして丁度そこにいる水草にとまろうしました。しかし水草はヒョロヒョロなので、「ヒャア」と言って金木犀にもたれかかりました。
「なんだい君はしっけいな。つる草でもないのに、そんなに長く伸びて、いきなりヨソの人に寄っ掛るなんて、非常識だとは思わないかね」
と、強そうに言われました。「はあ、すみません」とだけ水草は言いました。
水草はしょげてしまいました。でも自分では短くなれません。風が吹いたらゆらゆらするしかありません。金魚とお話しすることもできません。
夕方になって、お母さんがそこのスパティフィラムに水をやりに来ました。
その時、水草が長く伸び
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