金魚と水草/長谷伸太
金魚と水草
窓のところにおいてある水槽には、金魚が一匹と、水草が入っています。二人は仲良しでした。ある日、お母さんが窓のところを掃除したので二人ははじめて窓の外を見ることができました。空気をいれかえるために窓をあけたので、いい空気も入ってきます。
「わあ、ひろいね」と水草がいいました。遠くに菜の花が咲いています。それは不思議でした。
もっと不思議なのは窓のすぐ外に生えている金木犀です。それは立派でした。
「やあ、あれは君と同じように、植物だね」と金魚が言うと「そのようだね」と言って水草はうなりました。
「同じ植物にしては君はどうして、細くて小さいだろう」
と金魚が言うと、水
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)