今宵小さな星が降る/ベンジャミン
僕らは儚いので
今宵見る夢の破片は
調度そんな
僕らは儚い夢の中で
いくつもの生をめぐり
まるで泡の弾ける音ほどの
哀しみを噛み締めるのです
無塵の砂丘に取り残された
あの花の芽の開かれた
双葉のような幸と不幸を
やがて一輪の散る運命と知りながら
今宵小さな星が降る
窓辺に置かれた明日が目覚め
朝陽が昇るその影に
忘れたままの
あの
さ、ら、沙、ら、離
と
渇いた心に今は
束の間の雨が降っています
今宵
小さな星が
音もなく流れてゆくのを
森も
小さな生きものも
まるで知ることのないままに
夜空は哀しいほど
綺麗に輝いています
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