あめんぼう/まきび
 
くさんいたけれども
山が雨の神様と晩酌をして
尿やなにかを流した日には
あめんぼうはたくさん死んだ

ぐにゃりとくずおれて
半分土に埋まっていたり
圧倒的な水に流されて
もうどこにも見当たらなかったり
あめんぼうはいつも
そんなもんだった

あめんぼうは
なぜ?なに?など
考えていなかった
ただそこにいて
浮き 泳ぎ
(少しばかりの楽しみは見出していたかもしれないが)
流されて 寿命が来て
土に溶ける

大切なのは考えることよりも
浮いていることではないのか
どんなに考えてもわからないけど
今確かにあめんぼうは
浮いているのだから

池にはあめんぼうだけがいた
大惨事の前も後も
おんなじだけの数で
のんべんだらりと平和そうに
池に浮いている

都会のちっぽけな人間が
ぶった切ったほうがいいと思うほどに
煩雑に生い茂った木々がそこここで
今日も緑色だった
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