詩人宣言/窪ワタル
って「詩人」と名乗るのは自然なことなのだとおもっている。
尊敬する詩人の上田暇奈代氏が「詩人ってな、詩を書くことしか出来ひん人間のことやねんで。」と云って下さった事がある。私が「母親が死にかかっている時、いつかこのこと詩に書くな、とおもったんですよ。」と云った時に返された言葉である。私は、それ以来「詩人」と名乗っている。母親が今日、明日死ぬかも知れない時、その風景を詩のネタだと感じてしまった私は、ひょっとすると、人間としてはまともではないのかも知れない。けれど、私は事実、母の死を幾つかの詩に書いている。満足の行く出来ではないので、今でもこのテーマを持ち続け、言葉がいつかまたこのことにぶつかっ
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