コンコルド/
エラ
わたしは、この世界の人間なんかじゃないのかもしれない
白い天井を見つめて少女は呟いた
横顔は輪郭を失くして消えかかっていた
けれどそれはとても美しかった
仰向けに寝転がると、堕ちていく感覚がするの
重力も何もない、まるで胎液の様な
誕生を待つ時、確かにこんな風な景色を見ていた
こんなふうな砂の音も聞こえていた
温かいも冷たいもなかった
ただ少し悲しくて、きっと泣いていた
そうして彼女は、また少し泣いた。
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