暗喩篇/アマル・シャタカ
 
人命尊重という名の
延命治療って
商売に同じ

言葉は虚構だ
そうでなければ
「星が降る」などと
口ずさめば
たちまち世界は美しく滅んでしまう
恐らくは
人の言葉のみが虚構であり
犬猫にいたっては
たぶん
世界のことを慮って
言葉を使わないのである
人外こそ
沈黙の聖者

鯉と恋
僕は君に鯉をしている
と書けば生臭いが
池に恋が泳いでいる
と書けば情緒を感じる
言葉が絶対であるならば
僕は君に鯉したろう
それがどういうことであるかは
想像もつかないけれど

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