浮雲終日行/
河野宏子
の一日は
仕事場にただ沈澱しています
ブラインドで隔たった表通りには
そろそろ夜のフィルターがかかりはじめ
モザイク、濃淡グレーの街に
影をおとしながら雲は春をながめて
貨物列車が通り過ぎるばかりの故郷
寒がりの父の早い朝のために
母はまだ今晩もストーブに灯油を足しているはずで
ポエムが生活を横切ることがあります
最近増えてる気がします
たなびかないわたしの毎日を
理由もなくそそのかすのです
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