明日の方向/
長谷伸太
アスファルトの上を
革靴で歩く 歩く 歩く
あの人の 足音は
たしかにわたしのの心臓のおとだった
それが聞こえなくなってはじめて
真っ白な何も見えない中で
小さな足音が下のほうから聞こえた
わたしの足音がリズムを刻む
わたしは わたし の足であるいていた
いつのまにか
いつからだか
はじめからか
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