電話してくれりゃよかったのにさぁ/カンチェルスキス
 
ら、わたしも20歳を過ぎるまで夜は口笛を吹けなかった。蛇なんて怖くなかったんだけど。他には?」
「ほとんどの場合、おれが思うに」
 おれは迷いながらも言った。
「豆板醤」
「豚骨ラーメンには必要なときもあるよね。他には?」
「それ以上、おれは答えを出せないよ。そんなに出来がよくないんだ」
「じゃあ、わたしが答えるよ。墓石&墓地。これが必要になってくるんだ、人間死ぬとね」
「墓石&墓地?兄弟漫才師?」
「うん、そう。って!!」
「違うんだ?」
「違うよ」
 男の顔は真っ赤だった。しゃがんでおれの前にいた。汗もどくどく流れてた。怒ってたわけじゃないと思う。一生懸命
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