ストリッパー (2)/ベンジャミン
 
を突き放してぎりぎりの端に立って
泣いた


「あたしね・・・
 ごめんなさい・・・ ごめんなさい・・・
 あたしもう、自分の名前なんて覚えてないよ
 忘れてしまいたいことと、忘れられないことが
 忘れてしまうことと同じだったら良かったのに
 あたしはただ、逃げ回ることしかできなかった
 だからもう、全部終わりにしたくなっちゃって」


体を海の方へ傾けてゆく君を
僕はからだいっぱいの力で抱きしめながら


「あの・・・ 俺、良くわがんねぇけど
 あの・・・ もう
 もう・・・ いいがら
 いいがらさあ
 君の名前なんて、俺は知らなぐていいし
 君の名前
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