努力家の吸血鬼/初代ドリンク嬢
 
吐き気に悩まされた
そうして
また何十年も過ぎた

やっと
白いご飯とお味噌汁だけの食事で
満足できるようになった

見る見るやせ細る
肌のつや
髪のはりは
飛んでいった
「おじいさんみたいだ・・」

でも
吸血鬼は体質改善に
情熱を注いだ

また
何百年

血を欲することはなくなった
日光にもなれて来た

そして
とうとう昼の町へ出かけることができるようになった

やったね
吸血鬼
「これで、
これで
人間になれるかも」

自分で自分に名前をつけた
憧れていた名前
「太郎」

そして
「太郎」のデパートデ
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