"lovin' you/かのこ
白紙のフォーマットを前にして
戸惑う僕が
ひとつだけ思うのは
lovin' youを歌い上げたい
去年の秋だった
家に帰るとだれもいなくて
皆どこで何をしているのかもわからなかった
仕事帰りで疲れていた僕はベランダに座り込んだ
夕焼けが落ちる
東の空の深い青色と
西の空の橙色とのグラデーション
ゆっくりと息を吸い込んで、耳を澄ます
隣のマンションから微かに聞こえてくる
君以外の他の誰も
僕をこんな気持ちにすることはできない
この色は君がもたらす色
どうか年老いても僕と一緒にいて
そして僕らはいつの日にも春に生きるんだ
今も耳に残る、やわらかな声
したいと望むことのその全ては愛だという
この喉を揮わせるのだとしたら、願わくばそれ
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