そしてその刹那/
エラ
世界には亀裂が走っているのだと、
君は言った。
私は真っ青な空を見上げたけれど、
そこには何もなかった。
鳥は鳴いていたけれど
何処にも見当たらなかった。
花は咲いていたけれど
香りをなくしてしまっていた。
水溜まりに脚をすくわれて
立ち止まると、
青が反射して
私を飲み込もうとしていた。
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