ゆきだるま/ukiha
 
ねました。
でも、誰の声も聞こえてこないし、なんだか怖くなり、泣きたくなってしまいました。

いったい、あの男の子はどこへ消えてしまったのでしょう。
降り続いていた雪はいつのまにかやみ、空にはお天道様が恥ずかしそうに顔を出しています。
わたしはもう男の子のことは諦めて、おうちに帰ろうとおもいました。
おかあさんに言い付かったおつかいを忘れていたのを思い出しました。

樫の樹のたもとに、誰かが作った大きな雪だるまが一体、忘れられたように立っていましたが、わたしは気にせず家路を急ぎ始めました。



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