嘘つきは泥棒のはじまり/プテラノドン
 
私は嘘をつき続けたが泥棒になれなかった。
ビーチでバカンスなんて夢のまた夢。
お祝いの葉巻はシガレットケースのなかで
来るべき時まではと死んだように眠っていたが、
ぱさぱさになったその肌はミイラのようで
燃やすことには事欠かないが、本来の役割である
その芳しき香りは一足先に天国へと旅立った。
つまりは役立たず、蛆がわくことは無いからといって
引き出しなんかに閉まって放っぽっておくと
忘れた頃に、たとえば探し物をしている際に
陰気な気分になることは請け合いで
それに怖じ気づくどころか
害虫よろしく寄り付かなくなる。―家にも?
事態を回避する策としては、
古いのを新しいのに
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