サンカ/エラ
久しぶりに居合わせた雨で、新しくなる
霞がかった乳白色フィルター
アルコールで剥れ、紅潮した肌のきめ細かい部分に触れると
はらはらと、なにかが散っていくのを感じた。
その体温によってあたためられた柔らかさから、
醒めることが出来ずに、私は歌を歌う。
悲しい歌、それはとても幸福である
その傷口から染み出した体温で、安心を求めること
許してはくれないだろうな。
幸いにも、私はまだ、ひとりだ。
どくどく、どくどく
暗闇にひとひら
散ってゆくものがある
情欲を産めるもの
想いを肥やすもの
溢れてしまえばいいだなんて、嘆いた祈り
私はまだ、笑うことができる。
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