君の名は/アマル・シャタカ
君の口付けを
夢見た日々は過ぎ
思い描いた風景は巻き取られる
新しい大地が現れるわけでもなく
羽の生えた女が
降臨することも笑い話でしかない
捨てられた世においては
布切れに女を感じる狂人がはびこり
我が肉体は錆びて剥がれる
確かだったものが何であるのか
そんなことももはや
子守唄の中にすら見出せない
左腕の震えに君を感じ
捨てられた小瓶に君を嗅げば
目から懐かしさだけが零れ出て
幽鬼のような我が思い
何にもなれず
何も救えず救われず
雷鳴のように口ずさむのは
ただ君の
ただ君の
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