AM6:20ノ設計/六崎杏介
朝、太陽が昇り
街にあるべき色彩を与えていく
私の知らない事を教えて、と
幼子らの歌声が溢れ
都市の通奏低音、―メルヒェン
オルガンとしての幹線道路に
天使の、不在が灯る
桜が散る 桜が散る 雫雨する
「ウィカ・ウィカ、擦弦スル
螺子ノ邸宅カラ6枚ノ
パレット 架空スル机上ノ城址
円ト寂シタ輪ッカ、昨夏ノ環状線
ウィカ・ウィカ、桜ガ散ル 雫雨スル」
目の覚める前に
チャイムは私を捕まえる
遠い、遠い教会の祝祭を追う
オートバイがさよならする
都市の通奏低音、―メルヒェン
全ての雲間と濡れた邸宅に
天使の、不在が灯る 桜が散る。
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