箱の外で鳴る歌を聴いた/
麻草郁
を待ってると信じて
いつまでも箱の底でくちばしを鳴らす
神さま神さまそれとって頂戴
あなたの言葉じゃ勃起不可能
剥がしたいの 喉の奥に生えたカビを
サック吸って 危機のフロック鳴らし
乾いた指でも 痛がらないから
濡れた唇から 涎をふかないで
おそる おそる 箱を開けた
どこを 見回しても 手品師はいない
おれは そっと 首を下げた
そして 蓋をしめて 手品師を待った
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