時と差/a.u.i.
 
笑うあなたとはしゃぐ子供ら
冷めたカプチーノ越しに傘
ねぇ 外は雨なんだよ
外は、雨なんだよ?


排気ガスは青
雨だから、寄り添う猫はベージュで
窓が切り取った空は確かオレンジ
硬直したこの手もあの手も肌色でした
雨はいつも錆び色で
そのたび私は なにかを睨み付けることで全てを良しとした
この街は様々な色で溢れているのに
私はきっと あなたを思い出せないんだ


時差通勤にご協力を、と
形ばかりの錆びた看板
泣きたいわけではない
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