その一点から/ネジ
わたしらが抱く少女幻想の姿れの果て
一体そんなうつくしいものがどこにあるのと
血や肉で出来たわたしら見えないものでしか繋がれない
まるでひとつのものだとでもいう風に
わたしやあなたを私達と呼んでいる
南から街へと昇る風
うつくしいものの気配だけを見つめる眼には
見えるものしか見えないのだけど
うつくしいものの気配にばかり怯える身体を
無遠慮に撫でまわすのは見えないもの
世界への欲情から弾けてしまった
坂の上から振り向くわたしらは
安い香水や化粧の匂いで一杯なのでした
それが少女というものを作りました
塩辛い風を飲み込みながら叫ぼうとする
うつくしさの終わりになにがあろうと構わない
そして幻想の加速を糧に少女を脱ぐ
この坂を一思いに駆け下りて飛び込むしかない
わたしらは抱かれた少女像という網に
望んで身を投じたうつくしく不味い魚の群れ
戻る 編 削 Point(2)