曇り空に描いた理想、今息をする理由/Keico
この家は今日も灯りが夜遅くまでついていて
私の体はここにかれこれ十年以上住みついている
母親 父親 弟
いつだって思うよ
この3人でよかったじゃないのかと
心ここにあらず
体だけぽつんと存在
母が飲んでいたお茶が
少し染まった茶色の髪をつたう
父の低い怒鳴り声が
耳を劈く
弟の冷たい目が
心を凍らせる
そして私は
あまりにも悲しくて
涙の前に
笑う
曇った心の空に描いてた
理想という名の
家族の姿
ちぐはぐすぎる今に
生きる気力がずり落ちて
しばらくしたら
ただ泣いた
「生き延び
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