Tomorrow of the same rabbit(3)/篠有里
もの、
それとも、今、最も必要とされたそのもの、
一方、そのどちらで無いにしても、それがひどく自然で、
悲しいものである事は確かだという誰かの断定が、
私の目の前にウサギの足のようにぶら下がっている。
記憶にない蛇が私の視線の隅を通りすぎて、そして消えていく。
らせんの形をしたその蛇の、その軌跡は先ほどのウサギの足によく似ている。
海、
フローティングドックによって造られる、
私の防波堤、
形作られるケーソン、
輪郭、
美しい理想。
ああ、美しいもの。
もしそれが強くて正しければ、それ以来、
ほとんどの物と、心と、一人の人は穏やかであったはず。
私と私の
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