せめてその青いボタンを２度押してくれ/鏡文字
彼は取り違えているのかもしれない
おれをＡだかＢだか或いは俺だかと
どのみち大した違いはないんだが
奴が誰に金を払うつもりでいるのかは
知っておかなくてはならない
俺は彼を試そうと
俺自身に限定された事柄に
内容を変更しようと思うんだが
それがどうしても見つからない
焦れば焦るほど
俺は口をつぐんでいることになり
その間中彼は喋り通して
確信をより強固なものにしてしまう
言わなくては駄目だ はっきりと
俺が誰なのかを
そうして彼に思い出させなくては
俺の窮状と、３日後に予定された
災害のことを
彼は喋り続ける
そのうちの半分も理解できないので
一つの手がかり
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