モノローグ/アシタバ
る
神は仮死状態なのだ
陰険なのは神の親類たちで
神の死後の財産分与について
とめどない口論を続けている
そのとてつもなく長い臨終の場面
どうして気がつかないはずがあろうか?
私は狂っているという人が
狂っているはずがない
けど大抵おかしくて
私は嘘つきだと語る者は
嘘つきではありえない
けど多分嘘つきだと思う
私は美しいなんて自惚れは
勝手に思ってるのはまだいいが
言葉にされると嫌になる
私は怒っているという場合は……まあ……
怒ってるのだと思うが
しかし「言葉は感情的」では断じてない
感情は言葉ではない
ただし
感情には手では触れ得ないが
言葉でなら触れられるかもしれない
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