ごめんね、冬/北野つづみ
 
日差しが
雪を溶かしてゆく

ごめんね、冬。
あなたがゆくのを
哀しんでいられない

ネコヤナギの枝の先の銀色
樹液がそこまで
流れはじめたように

私の中の血液も流れはじめた
指先を目指して
鼓動は速くなる

ごめんね、冬。
哀しめないのは、そのせい

春の日差しが
何もかも溶かしてゆくせい


2006.3.30
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