『ビショビショビショービジョビジョン』/大覚アキラ
「どうだいこれ、すごいだろう?」
そう言ってスヌ夫が自慢げに取り出したのは、とても立派な双眼鏡だった。
「テストで100点取ったごほうびに、パパが買ってくれたのさ」
「わぁースゴイねえ! 見せて見せて!」と、のぴ太。
しかし、横からジャーヤンが乱暴に双眼鏡をひったくり、早速窓の外を眺め始めた。
「おう! これスゲエじゃん!」
「あ、あのさ、丁寧に扱ってよね、まだ買ってもらったばっかなんだからさ……」スヌ夫は隣でハラハラしている。
「あーん! ぼくにも見せてよぉ!」
のぴ太のことなど、ジャーヤンはまったくお構いなし。
と、突然ジャーヤンが奇声を発した。
「うぉっ!? おお
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