Dead Line/腰抜け若鶏
 
今日、俺は死ぬはずだった

未来の自分の背中に、ある日モヤがかかり
日に日にぼんやりとその後姿が濁りだし
ついには全く見えなくなってしまってから
もうずいぶん時が経っていた

ある日、俺はじきに死ぬと思った
自分の体をつなぎ止めるネジ
それが少しずつ外れていくようだった
手、足、目、腹、胸、指、心臓
ぽろぽろぽろぽろ
何かをする度に一つずつ一つずつ
外れていくようだった

昨日の夜、俺は明日死ぬんだと感じた
だから遺書を書いた

今日、俺は死ぬはずだった

けれど、いきなり前から光が差し込んだ
俺は目が眩んだ
だから無意識に手を前に伸ばした

あった
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