盆栽する私/こしごえ
在る
始まって以来続いてきて
この枝の伸びやかな道道に
茂る葉の呼吸は瑞瑞しい
それも
小雪のちらつく昨夜の雲上の月も
陽炎のゆらめく送り火も
私を育ててくれる花娘
季節の裸体をうすく鏡に映す
曲線のしなやかなふくらみの陰影
私が、そこにいる
私なのに
光を浴びて光合成をしている
不思議に息苦しくはない
けれど切なかったり
待つことは
(何を)
命をうちあける
ということは
ほそく、しかも熱く一瞬する重力
ああ祈る形
目覚める先には空の音
純粋に報われることがあろうか
声に出しては宙に堆積する告白
全身で叫ぶ産声
流れて
このからだを
流れる血の記憶青い夢の空のもと
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