チャコール/
空論
故郷のような
異国のような
そんなどこかの路地裏で
「こういうことか」と嘯きながら
もうすぐ彼は
終わるだろう
二階の窓を
閉め切って
眼鏡を外し本を閉じ
フィラメントの熱の下
もうじき彼女は澱むだろう
そんな雨の木曜を
傘を開いてわたしに返す
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