未詩 「 世界は少しずつ少しずつ磨り減って 」/
砦希(ユキ)
かすかな音を たてながら
この川の水は
あまりにも冷たくて
これ以上ここにいたら
凍えてしまう
だけどきっと
すぐには死ねない
さあ いよいよ雨が降ってきた
この雨をどれだけ待ち侘びていたか知れない
この雨はわたしを濡らしあなたを濡らしわたしたちの子を濡らす
わたしの渇いてしまっていた心もいつか濡らし
忘れかけていた恋も濡らすだろう
あ
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