玄関からはいると何かの匂いがした/篠有里
 
に独自の世界観を確立した人からの何らかのメッセージなのか…?

たとえば、紅茶にひたしたマドレーヌ、小さなマドレーヌの味と匂いが、失われた過去の思い出を鮮やかに浮かび上がらせたかのように、この文章を書いた「私」は某ショッピングセンターの正面玄関の匂いで、失われたと思っていた過去の出来事をまざまざと思い出した…そう、そして取るに足らない片田舎のショッピングセンターの正面玄関の匂い(謎)が「私」の意識を現実から浮かび上がらせて長大なる物語世界、自己の精神世界に飛び立たせた…。そして失われた時を求めて旅立った精神が今ひとたび自己の肉体に還って来た時、「私」がいまだ某ショッピングセンターの正面玄関にい
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