n/x/川嶋千歌
唇を重ね躰を合わせ
愛していると囁かれたとて
どうしようもなく何かが足りない
あの日からずっと
私が求めるものは[ ]だから
子供だと面罵されるしかない
けれども気づかされてしまったら
代替物にすりかえようもない
貴方が私を組み敷いている時
ただそれだけで命までもやると思う
けれど最中に眼を閉じるのは
快楽の故ではなく切り離されていたいからで
二人の間には半ばの真実
そして直には触れぬ外周をまわる嘘
駆け引きなどできぬ
それでもきっとずっとこのままで行くのだ
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