雷造じいさんへの手紙/服部 剛
よ
時の流れは早いものです
まだ起きれずに小さい体を揺りかごに寝かせていた姪はもう5歳
幼稚園で男の子にまじって走り回っています
昨日夜遅く仕事から帰ると
富山から来た姉の傍らで
ふとんから顔を出して
細い寝息ですやすや寝ていて
それはもう天使の寝顔で
上からかがんでみつめていました
( あぁ・・・僕もきっと小さい頃は
( 両親や他の誰かに
( こんなふうにみつめられていたのだな
今朝目覚めたら
昨日特養ホームに住むおばあちゃんに
僕が出したばかりの詩集をプレゼントしたら
ベッドの上で身を起こし
輝く瞳で食い入るように
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