僕の手/ピッピ
しょっぱいスープにつけられた
エビのようにうずくまって
昨日の再来を待っている
明日なんて一つもいらない
歪んだギターになりたくて
誰かを傷つけたくなくて
歌った端から消えていく
言葉のようにもなりたくて
ああ 僕の手ではどうしようもない世界が広がる
誘蛾灯の光の下で
嬉しそうに舞う虫になる
切ない瞳を生まれつき
与えられたチワワになる
誰かを撃ち殺したくて
力の足りない雨になる
此の世の何処かで泣いている
声の聞こえない人になる
スケールの大きすぎる話に囲まれて
僕は単純な足し算をやっているだけだ
ああ 僕の手ではどうしようもない世界が広がる
ああ 僕の手は可能性を湛えながら
何もない世界で目的のない我慢をしている
ああ 僕の手は何になれるだろう
撃て!撃て!撃て!撃て!
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