メソッド=マテリアル=シティ/かめたろう
 

 僕らの学校では遅刻には恐ろしい折檻が与えられる。秩序は信仰を生み信仰が師範(せんせい)を肥えさせる。あのゲル状の液体の最低な質感を想像してゾッとしながら、カバンから護身用のフエラムネを取り出しピーと吹く、高音を強調してかき鳴らす。振動は信仰の足枷。精子のおたまじゃくし一匹だって逃さない霊子状の檻はその目立たぬ隙間から唯一音楽だけを解き放ってしまった。たった一つのものだけで覆る命題は「僕たちは何者にも縛られない」と自我肥大の誇大広告となって、プロパガンダのばっこするエーテル宇宙を駆け巡る。遠い宇宙からもたらされた返答はウルトラサイン。僕の周囲半径1kmは瞬く素粒子の砂になった。
 クラ
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