集い/アシタバ
 
知人たちの馴染みのある穏やかな表情や繰言のような発話が、
開かれては閉じ、また開かれて行く中を、
生の伴侶たる時間は細紐のようにゆらめいている。
窓外の散光は変わらぬままと見えながらほんの僅かづつ衰えていく。
旨酒は手から手へ滑らかに光りを湛え泳いでいく。
この情景の小道具、例えばニス塗りの木製テーブルなどにも
不穏な振動が伝わってはいたものの、
それが何かの妨げとなるわけではなかった。
誰も気にかけるものはなかった。
時おりテーブルの上でグラスが独りでに滑って行くぐらいのことだったから。
終わりを含むということで永遠が永遠でなくなるわけではない。
騒いだり逃げ回ったりするの
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