静止/ふるる
 
軽業師
ビルとビルの間のロープ

バランス



 く
   ず
      し




砂時計ははかないものの象徴のように
いつも扱われていたのに嫌気がさして
ある日さらさらと落ちるのをやめてし
まったすると世界中の時間が止まって
しまい全てが永遠の中に閉じ込められ
凍らせた薔薇のようにその美しさを不
変のものにすることができたのだが、




                固唾を呑んでビルとビルの間の軽業師を
                見つめる群集

                一人一人の瞳は燃えて輝いて
                燃えたまま
                いつまでもいつまでもいつまでも・・・






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