Tomorrow of the same rabbit(1)/篠有里
 
色が無く、ウサギも白鳥も私もあなたも等しく同じ匿名性の中にある。
私たちを区別する物、今はそれぞれの歌だけ。

今、あなた、そして白鳥は、家路を急ぐ私の源から消え去り、
しかしかつてあなたが持っていたライブ・ウサギだったものだけは道の上に置き去りにされる。
残された私は置き去りにされたウサギと等しい。
道の中央に投げ捨てられた時、あのウサギが私の内部に残されなくてはいけないという約束が、
心の片隅に残って今日も私を苛み出す。
心に鎖をつけたまま放置プレイの開始。

再び私が明日こちらからついて行って、毎日あの幽霊に会うために、
同じウサギの静けさが確かにそこにある事を確認すると、
ウサギが雨音あるいは雪の降る音、じっとそれを聞いている姿が思い浮かぶ。
ねえあなた、それとも今度は誰が飛び去ったの。

たぶんそれは、世界の終りに向かうはず。
今日一日でどれだけ陽が長くなりましたか?
青が終わって黒くなる時、終わりは多分すぐそこにある。
きっとすぐそこにある。

愛しい同じウサギの明日に。
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